JR九州の特急はネット予約がお得すぎる?
特急ソニックを利用しました。白いソニック(885系)と青いソニック(883系)があり、白いソニックのつもりでしたが、乗ってみたら白い「かもめ」の車両でした。
以前は大分~博多間、最速1時間59分なんて時期もありましたが、ダイヤに余裕がなかったようで、2時間すこし超えるようになりました。
JR九州は高速バスとの競合が激しく、割引率の高い企画商品が多いです。ある日の大分~博多を検索した結果がこれです。
「九州ネット早特3」は3日前まで予約すれば正規の指定席が5680円のところ、半額以下の2550円はすごい!さらにこのきっぷのすごいところは、変更したい場合、変更後の列車の発車3日前までなら変更自由、3日前を切っても少しだけ高くなる「九州ネットきっぷ」への変更が発車直前まで可能な点です。たとえば、一応3日以上前に「九州ネット早特3」で予約したけど、当日予定が変わって違う時間帯の列車に変更したくなった場合、「九州ネットきっぷ」との差額を払うことで変更ができるんです。
注意点は駅で紙のきっぷを受け取ってしまった後の変更は制約が大きくなります。紙のきっぷは乗る直前まで受け取らない方が安全です。ただ、あまりに発車ギリギリに受け取ると指定席券売機やみどりの窓口が混雑しているリスクもあるので程々にしましょう。
航空会社の格安運賃は制約が大きいですが、JR九州は格安でも自由度が高いのはありがたいです。
白いソニックのグリーン車は半室12席のみ
今回の乗車は「九州ネット早特3」でグリーン車を利用しました。コロナ禍のなか人口密度が低い車両に乗りたいと考え、指定席がほどほどに「密」だったためです。
グリーン車は2-1列の3列配置で見た目は豪華な革張りの座席です。実際座ってみると滑りやすいので座り心地はよくありません。シートピッチは広いのですが、グリーン車には常識だと思っていた足置きが設置されていません。
1人掛けの席は1人で乗車する場合には他人と相席にならない絶対的な安心感があるのでグリーン車を選択する大きな動機になり得ると思います。


設備としては窓側にコンセントがあるのは便利です。
テーブルが特異な形で、飛行機のエコノミークラスでお馴染みの背面テーブルやひじ掛け収納の折り畳み式でもなく、窓側は壁に付いた木製のテーブル、2人掛けの通路側は床から柱で生えているテーブル。折り畳み式で少しは広くなりますが、パソコンで仕事や飲食には全く向いていません。なぜこんなテーブルを採用したのは疑問に感じます。
座席の回転、リクライニング方法も特異で、リクライニングは座席横の青いレバーを倒して背もたれを体重で倒し、青いレバーを元の位置に戻して固定する、と面倒です。リクライニングの角度も大雑把な3段階しか設定できず使い勝手最悪でした。座席の回転も座面クッション下にある赤いレバーを手で操作する必要があり、これらの操作を理解するまでに少々時間が必要です。毎回小倉で座席の回転があるのになぜこんなわかりにくい方法を採用したのかが疑問です。




グリーン車にはグリーン車の乗客専用のトイレがあります。グリーン車入口の扉の奥、客室との間に男女兼用の洋式トイレがあります。ソニックのトイレはほとんどが男女別ですが男性用小便器がなく洋式のみ、振り子式で揺れが激しくトイレが汚れていることが多く、グリーン車専用トイレは汚れている確率が低くなるのはグリーン車のメリットだと思います。


呑み鉄たこちゃんは正直、このグリーン車はあまり好きにはなれず、JR九州なら787系、JR他社なら新幹線や特急サンダーバード等のいかにも重厚な昔ながらのグリーン車って感じの列車の方が好きですね。
今回は指定席が「密」だったのでグリーン車で正解だったと思います。設備ではなく「空間」を買ったと考えています。(自由席はガラガラだった模様)
前面展望でかぶりつきも?
グリーン車では博多→大分行では小倉→大分間、大分→博多行の小倉→博多間では先頭車になるので1番の座席なら最前列で前面展望が可能です。ただ、運転席の存在がカッコよくて大きすぎるので、展望という面ではあまり期待はできません。
座席に座ったままでの展望は無理で立って眺めることになるので他に乗客がいる場合、長時間立ってかぶりついていたら恥ずかしいかも知れません。また、1番席は前方を向く場合、足元が狭くなり窮屈になるので前面展望をしたい人以外は避けたほうがいいかも知れません。
反対側の運転席、自由席の6号車でも同様の展望は可能です。
上の車内全景の写真で前面のガラスが曇っているのは非常ブレーキをかけたらガラスが曇って前面が見えなくなるためなんです。(人身事故の瞬間を乗客に見せないための工夫です。)
小倉で進行方向が変わる!ここでは座席の回転が常識
途中の小倉駅で進行方向が変わります。放送で「通路側座席下のペダルを踏んで椅子をお回しください、まわりのお客様にご注意ください。」と指示があり、座席を回転するのが常識です。乗客の多くが小倉で入れ替わるので寝ていても起きる必要があります。後ろ向きのまま座り続けようとしたら、よほどすいていない限り、前後の人から注意されると思います。
個人的には小倉の座席回転が面倒なのが高速バスを選択する人の理由のひとつであると考えます。
自販機やフリースペースも!


JR九州の列車らしく、車内はおしゃれでフリースペースや自動販売機(ソフトドリンクのみ、わずかに割高)の設備がありました。車内販売はありません。
振り子式なのではっきり言って乗り心地は悪い!
特急ソニックに乗車した感想は、「酔い」はしませんでしたが、とにかく「乗り心地が悪い!」という点です。カーブを高速で通過できる振り子式で、高速バスに負けないように一生懸命スピードを上げて走ってくれるのは理解できるのですが、グリーン車の不思議な形のテーブルに缶ビールを置いたら倒れるのが怖くて手を放すことができないんです。ゆっくり時間をかけて呑めませんでした。しっかりとしたドリンクホルダーが欲しいと切実に感じました。席を立ってトイレや自販機へ歩くと揺れが激しいことを実感できます。車内改札の車掌さんは本当に大変だと思います。
特急ソニックでも青い883系のほうが少し静かですが、それでもよく揺れるのは間違いありません。呑み鉄たこちゃんは特急ソニックを降りて福岡空港から北海道へ帰ってきた後、快速エアポートの指定席に乗ったら「なんて快適な列車なんだ!」と本気で思いました。
話はそれますが、JR九州の特急列車の徹底した車内改札は素晴らしいですね。ちゃんと正直に特急券を買った人をがっかりさせることがほとんどありません。(1の会社も見習って!)
指定席の方が混んでいる可能性が高い、特急ソニックの事情とは?


特急ソニックは885系が6両編成中基本的に3両が自由席、883系は7両編成中基本的に4両が自由席で自由席が多いのが特徴です。通勤通学の時間帯はさらに自由席が増える列車もあります。全国的に特急列車は指定席を多めにして自由席を少なめにして指定席へ誘導する傾向が強いのですが、JR九州の場合は自由席が多い列車がほとんどです。
特急ソニックは福岡・北九州圏の通勤通学、ビジネス、レジャー客の輸送と福岡・北九州と大分県の都市間輸送、さらには大分県と本州方面の新幹線との長距離輸送と様々なニーズがある列車です。その中で最も大きなニーズは福岡・北九州圏の短距離で定期券での利用も多く、そこに合わせるため自由席主体の編成になっています。
博多→大分行の場合、自由席が最も混雑するのが博多~小倉間で小倉で乗客が大きく入れ替わり、行橋・中津あたりから閑散としてくるのが通常の光景です。大分→博多行の場合はその逆で、小倉までは段々と乗客が増えてきて小倉で大きく入れ替わり博多まで混雑します。一方の指定席はネット予約や2枚きっぷ等の割安な企画商品の指定席を利用する人や新幹線との接続で比較的長い距離で指定席を利用する人が多いのにもかかわらず車両数が少ないので、全区間を通して混雑する場合が多いのです。
ネット予約限定のきっぷは指定された列車の指定された指定席限定の縛りがあり、同じ列車の自由席を利用することができませんから、指定席を利用するしかないと思いますが、2枚きっぷの場合は指定を受けずに自由席を利用することが可能(指定列車に乗り遅れた場合に当日中の自由席利用も可能)なので、特に大分・別府辺りから小倉・博多方面へ利用する場合は自由席を選んだほうがかえって車内がすいていて快適な可能性が高いかと思います。呑み鉄たこちゃんは2枚きっぷや正規の特急券で利用する場合なら間違いなく「自由席」を選択します。
特急ソニックの指定席車には車椅子対応の1人掛け席が存在します。少し前までは車椅子の乗客がいなければ乗車当日の早朝から一般に購入できましたが、現在は開放されておらず不可能なようです。
特急ソニックで高速な移動を!
特急ソニックは乗り心地が良くなく、乗って楽しむタイプの列車ではありませんが、お得なネット予約が利用でき、目的地まで早く運んでもらえます。新幹線や飛行機との接続があるときは高速バスよりも列車のほうが安心感があります。特急ソニックを利用する人の参考になれば幸いです。
青いソニック883系の乗車記はこちらです。i
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