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きっぷの入手が困難な無人駅
豊富町で用件のため滞在し、帰りも沿岸バスの「特急はぼろ号」を検討しましたが予約状況が微妙。上りの場合は豊富で隣が空いていても留萌までの約3時間、乗車扱いが続くので相席になるか否か、より慎重な判断が必要です。
そこで混雑していないJR北海道の特急列車にしようと思ったのですが、豊富~札幌間で正規の運賃・料金を払うと自由席でも9790円。
「えきねっと」のトクだ値を利用した場合、稚内~旭川が4440円、旭川~札幌が2860円で合計7260円(豊富~旭川にトクだ値の設定がないので稚内で買って放棄)ですが、ビューゴールドプラスカードなのでポイントが8%還元されます。この差は大きい!
現金のみの車内精算で正規の運賃・料金で乗るのはあまりにもバカバカしいのですが、豊富駅が無人駅なので「えきねっと」で予約・決済しても紙のきっぷを発券できないのです。
豊富駅にはきっぷは幌延駅で買う様に掲示がありますが、JRの距離で16.5km!その幌延駅のみどりの窓口も平日は15時まで、日祝は営業していないという有様です!
JR東日本ではみどりの窓口のある駅へきっぷを買いに行くときは無料で乗車できるようですが、JR北海道はどうなのでしょうね?
幌延駅でトクだ値を発券しました!
バスにすることも含めて散々迷った挙句、隣町の幌延駅までわざわざ発券に行きました。「花たびそうや」で来たときは賑やかでしたが、閑散とした状態・・・。
駅員さんはトクだ値は一度発券してしまうと
- 変更できなくなる。
- ネットからキャンセルできず営業時間内に窓口に来る必要があるうえにキャンセル料が高い。(稚内~旭川50%、旭川~札幌45%)
とデメリットだらけなので乗る直前に発券することをお勧めしてくれました。
「はい、十分に理解していますが、豊富から乗るから仕方がないんです!」
親切な説明に深く感謝します。
苦労して発券したきっぷがこちら!
乗る前にこんなに苦労するなら何のためのネット予約なんだか・・・これでは余程の鉄道好き以外は車かバスを選択するでしょうね。
多少の手数料(560円)はかかりますが、誰かに発券用QRコードを送って近くの駅で発券して保管してもらい、車内できっぷを紛失したと申告して一旦正規の運賃・料金を払って着駅で出場、後日1年以内にきっぷを駅へ持参して払い戻してもらうという方法もあります。(この場合、稚内~旭川のみ発券、旭川~札幌は旭川で発券します。)
払い戻されるのは後で買った正規の運賃・料金の方なので良心的なルールです。ただ、車掌さんや駅員さんに手間をかけるので、できればやりたくない方法ですね。
何だかもやもやとした気分でしたが、先日乗った「花たびそうや」の寄せ書きが掲示されているのを見て少し気持ちが落ち着きました。
はまなす編成の「サロベツ2号」が来た!
当日は宿の送迎車で豊富駅へ!
稚内行きの普通列車が先に到着しました。平日なので高校生など乗客がそれなりに居て、転換クロスの席は相席でしか空いていないようでした。
はまなす編成の特急「サロベツ2号」が到着!
悪天候とかで運休があるとあっさり車両変更になるので予定通りで良かった!
トクだ値で指定席を取っていましたが、「ラウンジカー」が空いていたので移動しました。ガラガラなラウンジカーというのもなかなかチャンスがない?
宿の冷蔵庫で強力に冷やしておいて持ち込んだビールとお菓子で少しだけ呑み鉄を楽しみました。定期の特急列車ですが、観光列車気分です!
気分転換に車内を歩き回る余裕がバスにはない強みだと思います。
ただ、ラウンジカーは座席が硬いので長時間座ると疲れてくると思います。ある程度楽しんでから指定席に戻って座りました。長時間座るのはリクライニングシートの方が快適ですね。
コンセントも付いていてJR北海道の在来線指定席としては最高の座席です。
宗谷本線の景色を復習?
5月に「花たびそうや」で往復した宗谷本線の景色を再確認?どこにポイントがあるかわかるようになったので楽しめました。
牧草地
雄信内駅(来年廃止されるそうです。)
宗谷本線唯一の下平トンネル
物置で有名な糠南駅
天塩中川駅
天塩川
音威子府駅
寝てしまったのでかなり飛んで塩狩峠
旭川で「ライラック」へ乗り換え
約3時間で旭川に到着、すぐ隣の特急「ライラック18号」へ乗り換えました。巷では乗り換えは敬遠されますが、外の空気を吸って少し歩くと気分転換になるので嫌いではありません。列車に遅れがなく、急げば買い物も可能です。
全車指定席化への準備と思われる自由席2両への減車で自由席が混雑、指定席はガラガラといった感じでした。指定席ユーザーにとってはありがたい?
あえて自由席を混雑させて嫌気を感じさせ、「えきねっと」&指定席へ誘導する作戦なんだろうと思いますが・・・?(バスや車に流失するだけな気が?)
ホームには売店はありませんが、セブンイレブンのおにぎりやサンドイッチ等の自動販売機があります。但し、ビールやお酒は買えません。
電車特急の乗り心地は快適だと実感しながら札幌駅に到着!
まとめ:特急列車の方が快適だけど・・・?
札幌~豊富間を往路は沿岸バスの特急はぼろ号、復路はJR北海道の特急列車を利用して乗り比べてみました。
それぞれのメリット、デメリットを考えてみたいと思います。
沿岸バス「特急はぼろ号」
<メリット>
- ネット予約が便利で窓口へ行く必要がなく、決済後の便変更や座席変更も可能なので混雑状況に応じて相席リスクを軽減できる。
- 日本海オロロンラインの景色が良い。
- よく運休するJR宗谷本線の列車よりも信頼できる。
<デメリット>
- 混雑して相席になったら座席が列車より狭いので辛い。
- 車内にトイレはあるがバス走行中は使用しにくい。トイレ休憩があるので、車内トイレは緊急用と考えた方が良い?
JR北海道 特急列車
<メリット>
- 普通席でもバスより座席にゆとりがあるので相席になっても苦痛は少ない。他に空席があれば車掌さんに相談して移動できる場合もある。
- 指定席だと混雑している確率が低い。
- 走行中でもトイレを利用しやすいので安心。
- 座ったままが辛くなっても席を立って少し歩く等の気分転換ができる。
<デメリット>
- 「えきねっと」の割引を受けたい場合、乗車前に発券が必要なので無人駅や窓口営業時間等、地方の駅から乗る場合は難易度が高い。
- ネットやクレジットカードが嫌で「えきねっと」を利用できない人にとってはかなり高額。
- 特急「宗谷」1往復を除いて旭川で乗り換えが発生。個人的には大きな問題ではないが、嫌がる層が一定数存在。
- 大雨や大雪等の悪天候でよく運休になる。
特急列車の方が座席が広く、トイレに自由に行ける安心感から楽だとは思いましたが、地方の無人駅から乗る場合に「えきねっと」発券の難易度が高いのに困りました。
「無人駅からは正規運賃・料金が嫌なら車かバスを利用してね。」とJR北海道から言われているような気に・・・?ネット予約なら窓口へ行く必要がないバスに完全に負けています。
10月からJR東日本では東北地方で発券不要の「えきねっとQチケ」が始まり、そのうちJR北海道でも追従すると予想しますが、トクだ値などのお得な商品が対象外では何の意味もありません。「えきねっと」はきちんと価格を比較しないと割高は方に誘導される場合があり、罠が多いですから。
JR北海道は特急の全車指定席化、「えきねっと」誘導(=みどりの窓口縮小)を推し進めていますが、特急停車駅でも無人駅が多く存在するJR北海道だからこそ、「えきねっと」で発券することなく乗車できる仕組みの構築が急務であると考えます。