<追記>現在、新快速のAシートは全席指定席となっています。この乗車記は指定席となる前のものです。
待望の新快速、有料座席!
関西には「新快速」という特急料金不要ながら特急列車同等に速い電車があり、播州赤穂から敦賀までの広い地域を結んでいます。
座席は転換クロスシートで料金不要の列車としては快適!
しかしいつも混雑して座れないことが多いのが不便なところです。仕事で疲れているときや休日のレジャーで座ってくつろぎながら移動したいような場合、首都圏の普通列車グリーン車のような有料座席がなかったので不便でした。
しかし、2019年3月から1日たったの2往復ですが、新快速に有料座席が導入されました。その名は「Aシート」です。
新快速の指定席、Aシートとは?(まとめ)
- 新快速の有料座席ですが、1日たったの2往復のみ!
- 自由席で車内で座ってから車掌に料金500円を払う方法が原則。
- 期間限定で12席の指定席を設定中。840円ですが、ネット予約「e5489」なら600円。
週末に姫路駅から乗ってみた!
乗車したのは週末の姫路駅16時10分発の「新快速4号」です。
今回はAシート初乗車なのでe5489で指定席を予約しました。
時間があったので乗車前にホームでえきそばを食べました。
発車時刻が近づいてくると先発の15時56分発の長浜行の新快速がまだホームにいるのに16時10分発のAシート乗車位置に並んでいる人が数名いました。Aシートでない一般の車両に並んでいる人は皆無です。
列車が到着する頃には10人程が並んでおり、ドアがあくとすぐに車内へなだれ込み、いい場所の席に座ろうと椅子取りゲーム状態でした。
呑み鉄たこちゃんは指定席でしたが、車内の写真を撮りたかったので並んでいました。どうしても反対側から来た人が写真に入ってしまいました。(個人画像を保護するため画像を加工しています。)
座席は特急列車同様のリクライニングシートで肘掛けにコンセントが付いています。これは移動中に充電できるので重宝しました。
姫路発車で窓側がほぼほぼ埋まった感じで予想よりも多い感じでした。
発車したらすぐに車掌が料金を徴収に来ます。行き先を聞いて乗車整理券を発行、かなり面倒に感じました。指定席の人は発券状況を把握しているのか改札なしでスルーでした。
次の加古川からは数名が乗車して窓側が全て埋まりました。加古川では窓側が空いている席を目がけて両側の扉からダッシュして椅子取りゲームが行われていました。
明石からも数名乗車ですが、空席はあっても料金を払ってまでの相席を嫌ってか、Aシートを諦めて一般車両へ行く人の姿もありました。
呑み鉄たこちゃんは三ノ宮で下車しましたがざっとみた感じで三ノ宮で6~7割の乗車率でした。三ノ宮以降で販売済の席を選んで予約しており、Aシートで神戸や三ノ宮で降りる人はあまりいないだろうと予想していたので相席にならずに快適にAシートを体験できました。
問題点だらけのAシート!
たった1回ですがAシートを利用して感じたことですが、
- 車内で座るまで席が確約されていないので追加料金を払って乗るのにストレスを感じます。一般車両で繰り広げれれる椅子取りゲームと同じ。(その不満に応じるため期間限定で指定席を設定して様子見している模様)
- 車内で料金を払うのは面倒で、車掌が席にくるまで落ち着きません。車内で現金や交通系ICカードの受け渡し、車掌との会話は感染リスクがあります。
- 運転本数が1日2往復だけと少なすぎるため、首都圏の普通列車グリーン車のように座れないから次の電車を待とうという乗り方ができません。
- 指定席をe5489で予約する場合、「チケットレス指定席券、Aシート」を予約すると、eきっぷやJ-WESTチケットレスへの変更ができず、新快速のAシートにしか変更ができずに著しく不便です。
- 姫路~神戸・大阪間の在来線で有料で着席しようとすると、他には全車指定席の「特急らくラクはりま」「特急はまかぜ」、自由席もある「特急スーパーはくと」があり、同じ路線を運転する列車なのに予約方法、定期券での利用可否など、制度が複雑でわかりにくいです。
全席指定席が無難なのでは?
Aシートの販売方法はもちろんプロであるJR西日本で他地域や私鉄の有料座席を研究し尽くして地域の実態に合うように企画したのだとは思いますが、他地域でも有料座席を好んで利用する呑み鉄たこちゃんには残念な有料座席としか思えません。
全席指定席としてネットから予約するのがお得、みどりの窓口でも買えるという状況が一番無難だと思います。JR西日本なら快速マリンライナーがそうですから。
車内で販売するのは人件費や手間がかかります。また途中駅から乗車でも指定を取れば好きな席や並んで座れるという安心感は大きいと思います。
全席指定だと、長距離の指定が取り難くなる(特に青春18きっぷ時期、だから米原まで行かない?)というデメリットはあるかと思います。
やはり関西で有料座席はタブーなのか?
関西での有料座席といえば、国鉄時代の新快速のグリーン車や民営化されJR西日本になってからも関空快速の指定席など、地域的に有料座席のニーズが低く、成功しないという過去の歴史があります。
新快速は一般の車両が転換クロスシートなので着席できれば快適なのでなかなか料金を払ってまで座ろうというニーズが低いのだと思います。首都圏のようにロングシートだと快適性に大きな差があるので有料座席のニーズが高まります。
Aシート導入から2年が経ちました。1日2往復は試験的なものでそのうち拡大していくのかと思っていましたが、2021年3月のダイヤ改正でも2往復のままです。
関西では有料座席はタブーでしたが、これを破ってJR西日本はAシートを導入しました。何とか成功して拡大することを願ってやみません。