夫婦で呑み鉄!たこちゃんの旅ブログ

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さらば関西汽船、昭和生まれ!「フェリーくるしま」乗船記①(小倉→松山)

 

松山・小倉フェリー「フェリーくるしま」

「フェリーくるしま」は1987年(昭和62年)に当時の関西汽船株式会社の小倉~松山航路に就航したフェリーです。昭和生まれ、船齢38年の貴重な船です。

運航会社は「関西汽船」から「フェリーさんふらわあ」となり2013年からは石崎汽船の子会社である「松山・小倉フェリー」により運航されていました。関西汽船、フェリーさんふらわあでは「小倉松山フェリー」と呼んでいましたが、石崎汽船が愛媛の会社なので「松山・小倉フェリー」と松山が先になりました。

僚船に「フェリーはやとも2」がありましたが、2024年に一足先に引退。「フェリーくるしま」1隻で隔日運航されていましたが、今年6月で運航終了となります。

www.matsuyama-kokuraferry.co.jp

 

昭和の雰囲気!小倉港へ

いつもは夫婦で旅行する呑み鉄たこちゃんですが、今回は珍しく1人旅です。以前はこの航路をよく利用していたのですが、現在の会社になってから1度も利用しておらず、「昭和生まれの貴重な船に廃止前にもう一度乗りたい!」と思って出発しました。

 

新千歳空港から福岡空港直行便で九州へ!FUK着陸はいつ見ても迫力があります。

 

せっかく九州まで来たし、時間があったのでお気に入りの博多ラーメンと小倉駅の立ち食いうどんを食べました。

 

小倉港は小倉駅北口から徒歩圏内で便利なフェリーターミナルではありますが、夜間に歩くと暗くて寂しい道もあり、女性だけだと少し怖いかも知れません。かといってタクシーだと確実に嫌がられるので難しいですね。

 

ターミナルというより「待合所」です。

 

船の近くまで近付いて写真撮影ができました。

 

この日の乗船客は多くない様子でした。

 

電話予約で予約番号を貰い、懐かしい紙の乗船名簿を鉛筆で記入しました。昭和か平成初期に戻った不思議な感覚です。乗船名簿の書式も「関西汽船」の雰囲気が残っていました。

 

等級別の空席状況も「関西汽船」のまま!2部屋しかない「特等A」も「発売中」でした。

こういう掲示が大阪弁天ふ頭や神戸中突堤など、各港にあったと記憶しています。

昔と違うのは待っている乗客がほとんどスマホに熱中している事でしょうか・・・?

 

購入した乗船券は「1等B」です。運賃が15900円、2人部屋を1人で使うルームチャージ料金が7950円追加され合計23850円と、距離や乗船時間に対して割高感は否定できません。最安値の2等でも10200円です。

同じ北九州から出る名門大洋フェリーや阪九フェリーで関西まで乗る方が安くて快適な船に乗船できるのが実情です。

度重なる値上げが客離れを加速させた原因のひとつであるのは間違いありません。

特等Aが空いていたので変更したい衝動をグッと我慢!(+12750円)

乗船券の様式から、関西汽船とダイヤモンドフェリーが予約システムをダイヤモンド側に統合したときのシステムをそのまま使っているように思えます。

 

乗船開始は21時から!

外に出ると「関西汽船」の看板を発見!

 

エレベーターやエスカレーターはなく、けっこう急な階段が続きました。当時はバリアフリーという概念が希薄だったことがよくわかります。

 

奇策?分割された1等室

案内所で部屋の鍵を受け取って指定された1等B室へ!

(特等だったら関西汽船時代から使っている鍵なんですが・・・)

 

1等は元々は6人部屋だったのですが、2019年の大規模な改装で6人部屋から2人部屋2部屋に分割されました。図を見るとAとBに2分割されたのがよくわかります。

 

なので部屋の扉の並び方が不自然です。B室の扉が元々あった扉、A室の扉は改装時に新たに取り付けられました。

 

呑み鉄たこちゃんが利用した「1等B」は狭い方の部屋で窓はありません。1人で夜間寝るだけなので少しでも安くしたかったのと、1等Aでも窓なしの部屋になる可能性がある(予約時の指定は不可)ので1等Bを選びました。

ある程度覚悟はしていましたが、予想以上に狭く感じました。

 

共用のスリッパ。おそらく関西汽船時代からあるものです。(緑色のスリッパを記憶しています。)

 

浴衣とアメニティーセット(タオル、歯ブラシ)は関西汽船時代には1等には設置されていなかったです。関西汽船「関」模様の浴衣。

 

ベッドは6人部屋だった頃のものをそのまま活用していました。ベッドというより「寝台」と呼ぶ方がふさわしいかも知れませんね。

 

ベッド内に小さな荷物棚とタオル掛けがあり、1等が相部屋前提であったことが伺えます。

 

掲示物も昭和の雰囲気?

 

ベッドマットと枠のサイズが合わず、不自然な隙間があるのが残念でした。

 

2019年の改装でベッドランプの下にコンセントが増設されました。

 

天井の空調の吹き出し口です。部屋での空調の調節は不可能で室内が暑く感じました。

 

何かが足りない?

1等Aにはテレビがありますが、1等Bにはありません。洗面所は両方ともあるので配管を分岐させて設置したのだと思いますが、テレビは配線が大変だったのでしょうか?オールドメディアを信用できないので1晩ぐらいなくても問題なし!

 

狭くて多少の不便はあるけど大胆な改装で少人数の個室を設けて利便性を向上させようとした、中の人の工夫と努力の賜物だと感じました。

 

自宅に眠っていた6人部屋であった時代のパンフレットです。「禁煙ルームやレディスルームもある」というマークが上等級でも相部屋前提だった時代を感じさせます。

(出典:関西汽船)

 

船内設備を紹介!

エントランスホールです。

本船の船内配置は案内所を中心にパブリックスペースを集中させた点や、2等の一部に大部屋ではなくドア付きの小部屋を設けたり、似たような時期に就航したダイヤモンドフェリーの影響を受けていると思われます。(同じ来島どっく建造)

以前はこの一帯に椅子やテーブルがあり賑やかだったのですが、改装によりやや殺風景な印象になりました。

 

隣に畳敷きのフリースペースがありました。

 

売店です。以前はおでんやうどん等も販売していたのですが、品数が寂しくなっています。缶ビールはロング缶で320円でした。

 

時代を感じるコインロッカー、100円玉が返却される親切なタイプです。

 

ゲームコーナーだった所はフリースペースになっていました。

 

スナックだった所は喫煙室。

 

自動販売機コーナーです。アルコールの自販機はありませんでした。

 

電子レンジ、ポット、紙コップのサービスも!

 

エントランスホールから船尾側は2等と2等寝台です。合宿所や寮のような印象の通路です。

 

小さなお風呂があります。入浴は23時30分まで。朝は利用不可です。こちらは2等、2等寝台用で上等級用のお風呂と区別されていました。

 

2等室です。昭和や平成初期だとここに固い枕と毛布が並んでぎっしり詰め込まれていたのですが、席の間隔もゆったり、寝具はかなり改善されています。

 

女性専用の2等の入口は自動ドアです。かつて2等リクライニング席がありましたが、カーペット敷きに改装されました。

 

2等通路には更衣室も。

 

関門海峡の歴史に関する展示もありました。

 

次回へ続く