- 「かんぱち」「いちろく」とは?
- 大分駅から乗車しました!
- 「かんぱち・いちろく」の車内
- やさしい味!和食のお弁当
- 久大本線の景色を満喫!
- おもてなし駅、天ケ瀬で停車
- うきは駅でもおもてなし
- 車内イベント後、博多駅へ
- まとめ:観光に便利でコスパよい観光列車
「かんぱち」「いちろく」とは?
呑み鉄たこちゃんはJR九州、久大(きゅうだい)本線の観光列車「かんぱち・いちろく」に乗車しました。(JR九州では「D&S列車」と呼んでいますがわかりにくい?)
久大本線には他にも「ゆふいんの森」や「或る列車」など観光列車が運行されており、JR九州が力を入れている路線のようです。
- 往路(博多→別府)が「特急かんぱち号」
- 復路(別府→博多)が「特急いちろく号」
2つあわせて「かんぱち・いちろく」と呼ばれることが多いみたいです。
久大本線の開通に貢献した人のお名前だそうで、JR九州の「いさぶろう・しんぺい」と似たような列車名の由来です。
「ゆふいんの森」よりも大幅に時間がかかり、旅行商品として販売されているのに「特急」と呼ぶのに違和感を感じたり・・・
公式サイトには「ゆふ高原線」とありますが、鉄道ファンとしては「久大本線」の方がいい!「JR宝塚線よりも福知山線」だし「学園都市線よりも札沼線」です。
(ある鉄道事故の報道では愛称ではなく正式名称が用いられるのはお洒落な街の印象を悪くしないような強い圧力があるのかな?と思っています。)
www.jrkyushu-kanpachiichiroku.jp
大分駅から乗車しました!
乗車したのは復路の「特急いちろく」です。別府駅が始発ですが、定宿のビジネスホテルが大分なので大分駅から乗車しました。(別府まで行って始発から乗車することも検討しましたが電車賃が別に発生するのでやめました)
これだと普通の博多行の特急列車に見えるかも?
別府始発なので発車5分ぐらい前に入線
国鉄の普通列車用の気動車からの改造なのですが、グリーン車のマークが付いていました。
座席は6人用のボックス席を4人で利用しました。以前は5人以上からの利用限定の席でしたが、さすがに5人以上の利用は少なくて空席になって無駄になるようで、4人から利用できるようになりました。
ドアはなく暖簾ですが、個室の雰囲気です。「36ぷらす3」では暖簾でも個室として販売していますから、個室なのかも?「かんぱち・いちろく」では畳個室として販売している席は1人5000円増しですが、この席はBOX席扱いなので通常の旅行代金1人19500円で利用できました。
改造車の宿命ですが、窓割りが悪いのが欠点です。こちら側の席の展望は最悪です。博多発なら進行方向側の席、別府発なら後ろ向きの席です。
ランチョンマットと呼ぶには薄っぺらい敷物は「持ち帰ってください」との事でしたが、不要なので置いてきました。転売もできそうですが面倒なので・・・他はシール、スタンプ台紙です。
コンセント完備なのは嬉しいですね!これは重要です。
「かんぱち・いちろく」の車内
1号車は大分県の火山・温泉をイメージした内装です。この座席配置は他の観光列車では見られない斬新なものですね。
こちらの3人用のソファー席は2人でも追加料金なしで利用でき、全員が進行方向に向いて着席できるので3号車の2人席よりもお勧めです。今回は4人でしたが、2人が後ろ向きに座る事や窓割りを考えたら6人ボックスよりこの席を2列の方が良かったかも?
2号車は「ラウンジ杉」というフリースペースです。大きな杉のカウンターの売店です。
3号車は福岡・久留米の沿線の平野や山をイメージする緑や青の内装です。通路を挟んで4人ボックスと2人ボックスが並ぶよくある配置で、奥に畳個室があります。
記念スタンプ。3色で3回押す必要があり、後ろで人が待っているとプレッシャーを感じました。
荷物置き場。座席の上に荷物棚はありませんでした。
トイレです。他に男性用がありました。


壁の絵は「かんぱち」さんと「いちろく」さんでしょうか?
やさしい味!和食のお弁当
「かんぱち・いちろく」は全席が食事付きの旅行商品として販売されており、曜日によってメニューが決められています。乗車した日は大分の「兎と亀」さんの和食でした。
食事は大分発車後、すぐに提供されました。
イラスト付きのお品書き
万人受けするちょっと豪華なお弁当といった感じでやさしい味付けでした。お洒落な料理が苦手な呑み鉄たこちゃんにピッタリのメニューでした。
飲み物は配膳に来たお姉さんに注文するのではなく、2号車のラウンジ車両へ自分で買いに行くスタイルでした。
買ってきたのは缶ビール500円。地ビール系だけでなく普通のビールも販売されていたのは良かった!
久大本線の景色を満喫!
久大本線は特急「ゆふ」や「ゆふいんの森」で何度か通ったことがありますが、景色は「ソニック」より楽しいですね。
由布院盆地で大きく迂回するカーブは「一六曲がり」と呼ばれているそうです。列車名の由来となった一六さんが鉄道を大きく迂回させ、そのおかげで由布院が発展しました。これこそ正真正銘の「我田引鉄」ですが、後世で褒められる結果になりました。
由布院に到着!駅は「由布院」ですが、湯平と合併したので町は「湯布院」となり、」現在は由布市です。
由布院からも乗車可能で数組が乗ってきました。
本来なら「ゆふいんの森」との交換なのですが、この日は「ゆふ」でした。
台形の伐株(きりかぶ)山
「ゆふいんの森」では定番の慈恩の滝。列車は減速して通過しました。
おもてなし駅、天ケ瀬で停車
日田の少し手前の天ヶ瀬駅で10分間停車。放送で予告があり、「或る列車」と交換。こちらはスイーツなので多分乗らないかな・・・?
ホームでは地域の特産品の販売がありました。
うきは駅でもおもてなし
続いてうきは駅でも停車しました。20分とゆったり。
時間があるので跨線橋を渡って反対側のホームへ行ってみました。
駅舎は歴史を感じる木造でした。
急速に普及しているJR九州のQRコード改札。地方の無人駅は今後これになるのでしょうね。特急のネット割引にも対応しているのはありがたいです。(JR北海道は地方の無人駅から乗る場合、えきねっとの受け取りができない不都合を早く何とかしてほしいものです。)
普段はお土産やグッズの類をほぼ買わないのですが、売れ行きが寂しそうだったので少しでも貢献しようと思って実用的なそうめんを買いました。
ほぼ満席な筈ですが、客の購買意欲は高くないようです。こういう物販も人件費がかかって売れなかったら厳しいでしょうね。
うきは駅を発車!
車内イベント後、博多駅へ
九州新幹線の高架が見え、久大本線から鹿児島本線へ!
久留米発車後、2号車のラウンジで旅の振り返りイベントがありました。「36ぷらす3」でも同じようなイベントがありました。満席近い筈ですが集まったのは数人・・・
別府の竹細工、日田の小鹿田(おんた)焼き、福岡の小石原焼き


最後に参加者にお菓子(金平糖)の配布がありました。
せっかくのフリースペースの車両なのに椅子が全くなく立ったまま聞くという点がちょっと残念な気もしました。「36ぷらす3」のように椅子を設けて座ることができる車両の方がいいかも?
特急「いちろく」は定刻15時47分、博多駅に到着しました。「ソニック」なら2時間ちょっとの大分~博多間を4時間25分かけて移動!美味しい食事を頂きながらの乗り鉄に大満足でした。
そのまま福岡空港へ行けば北海道へ当日帰宅も可能でしたが、日曜日の夕方で飛行機が混雑(=高い)していたので宿泊し、翌日帰宅しました。
まとめ:観光に便利でコスパよい観光列車
JR九州の「かんぱち・いちろく」に乗車しました。
国鉄の普通列車用の気動車が種車であることがわからない位に素晴らしい内装でした。JR九州では似たようなデザインの列車が飽和状態でしたが、デザイナーが代わったようで新鮮な気持ちで乗車できました。
久大本線の線路が良くないのと種車が国鉄の普通列車用であるからなのか、列車の揺れがかなり気になりました。遊園地のアトラクションにでも乗ってるような感じ・・・?久大本線には何度か乗っているのである程度、揺れへの覚悟はできていた筈でした。座席の位置がちょうど車輪の近くで揺れが大きく、食事をしていたので余計に気になったのかも知れません。
たまたまなのかも知れませんが、おもてなし駅での物販の売れ行きがよくないのが心配になりました。せっかく地域の方が駅に来てくれているのですが、ほぼ満席なのにあまり売れていない様子でした。「花たびそうや」や「ニセコ号」のように鉄道ファンばかりの列車だと飛ぶように売れるのに??
座席の販売方法について一言。4人BOX席は3人以上からでないと予約できないため、予約サイトを見ると4人BOX席が売れ残っている場合が多いように思え、そのまま走るのは勿体ないと感じました。高額な食事付き観光列車の主な顧客は夫婦やカップルであると感じます。出発日がある程度近付いて空席であれば2人でも販売して頂ければ乗車チャンスが拡大されるのでは?と感じました。
紙の乗車券がなくなっていく時代ではありますが、メールを提示して有人改札を通過するのは味気ない気がします。乗車券を郵送するのは手間ですから、改札で紙の記念乗車券を頂ければ昭和世代にはよい記念になると思います。
大分県と福岡県を結ぶ、観光に利用しやすい自然な運行経路、食事付き、1人2万円弱で4時間以上乗れるのでコスパの良い観光列車だと思います。機会をみつけて博多発の「かんぱち号」にも乗車してみたいと思います。
暑い時期は遠出しない主義なので次はどこへ行くかゆっくり考えます。