ネットのニュースに興味深い記事があった。
子連れ家族が席が離れるからと席を替わってくれと依頼されて断ったら激怒され睨みつけられた、断ったことに賛否両論だそう・・・
飛行機や電車の座席に強い拘りがある呑み鉄たこちゃんにとって座席指定は戦争である。予約した瞬間にゴングが鳴り、飛行機が出発するまで、いや到着するまでの様々なリスクを考慮しながらいかに快適な席を選ぶかを考え抜いて座席を選択して指定している。
- 可能な限り隣が空席がいい。
- トイレに行きやすいように通路側がいい。
- 寝たいから壁にもたれかかれる窓側がいい。
- 接続の都合で早く降りたいから混雑していても前方通路側がいい。
座席指定への希望は人によって、搭乗する目的や混雑状況によって千差万別である。
そうして指定した座席をいきなり機内で交換してくれという要求は座席指定にこだわり、希望の席が指定できないときは他の便を探したり、深夜早朝も含めて何度も座席表を確認して少しでも希望の席を指定しようと努力している立場から言わせてもらうと「あり得ない」
交換先の席が例えば通路側→通路側のように同じ条件であるなら、それでその人が幸せになれるなら受ける(協力する)かもしれないが、こういう座席交換はたいてい3人席の中央のように不利な席への移動となることが多い。
ある日のB737-800、満席。嫌だったが仕事なので仕方なく搭乗。最初は他人に挟まれる3人席の中央しか指定できなかったが、早朝深夜問わず何度も座席表を確認していたら通路側が指定できた。
当日搭乗すると小さな赤ちゃんを連れた夫婦が地上係員に先導されて機内へ入ってきた。嫌な予感が!3人席の中央で夫婦で別々にしか指定できなかったようだ。
何と航空会社の地上係員が近くの通路側に座っていたビジネスマン風の人に席の交換を頼んでおり、移動先は何と3人席の中央!
赤ちゃん連れの夫婦はめでたく3人席の中央と通路で並んで座れたが、ビジネスマン風の人にとっては通路側だったのが他人に挟まれる中央になってたまったものではない。明らかに不利な座席交換に応じて本当にいい人だと心から尊敬したいと思う。
もし呑み鉄たこちゃんが同じことを言われたら絶対無理・・・断ったら断ったで回りの乗客のなかには冷たい視線を浴びせるような人もいるだろうし・・・悪口が聞こえてくるかも?
断った方も気まずい思いをして不愉快になる筈だ。航空会社の社員から言われると強い圧力になるので言わないでもらいたいし、依頼するなら機内ではなく他の乗客の目につかないよう、搭乗前に依頼すべきであり何らかの対価が必要であると考える。
もっと言わせてもらえば、事前に並びで座席を指定していない親の責任である。急用ができての搭乗だったのか、飛行機に乗り慣れていなくて座席指定をしていなかったのかは定かではないが・・・
「困っている人に譲る気持ちはないのか?」とか「たかが座席ぐらい」のような意見もあるようだが、自由席の特急や通勤電車ならまだしも、全席指定の飛行機の座席でこういう議論がなされてニュースになる事に違和感を感じた。席の交換を断った方が非難される筋合いは全くないのに何が「賛否」なのだろうか?
急な搭乗となってしまって困っている場合でも早めに空港に行って航空会社の人に相談すべきである。航空会社ではこういう場合や利用頻度の多い顧客用にネットで指定できない予備の席を確保している。
いきなり機内で善意の押し売りは努力して座席を指定した乗客にとっては迷惑なのでやめてもらいたいと思う。